歯科ブログ

歯科におけるバイオフィルム

こんにちは!
新江古田こばやし歯科クリニックです🦷

虫歯(う蝕)や歯周病の主な原因となる非常に重要な存在です。口腔内で言うと、歯垢(プラーク)がバイオフィルムの一種です。
歯の表面(エナメル質)や歯と歯ぐきの境目などに形成される、細菌の集団が作るネバネバした膜のことです。これは単なる食べカスではなく、生きた細菌の“住処”となっていて、時間が経つと固くなって歯石になります。

どのようにして形成されるの?

・食後や歯磨き後すぐに、唾液中のタンパク質が歯の表面に薄い膜を作ります。
 これが細菌の足場になります。(数分以内)
・ミュータンス菌などが膜に付着し、増殖を始めます。(数時間以内)
・細菌はグルカンというネバネバ物質を作り、自分たちのまわりを保護するようにバイオフィルムを形成します。(1〜2日以内)
・酸素のある・ない環境に応じて様々な菌種が混在し、強固で分厚いバイオフィルムになります。(数日後)

主な構成菌

・ミュータンス菌(Streptococcus mutans) 虫歯の原因菌。酸を産生してエナメル質を溶かす。
・ラクトバチルス属(Lactobacillus) 虫歯の進行に関与。酸性環境に強い。
・ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis) 歯周病の原因菌。
・フソバクテリウム属(Fusobacterium) 他の菌の定着を助ける中継役。

歯科での問題点

虫歯(う蝕)

 糖分を栄養にして酸を出す菌が、歯のエナメル質を溶かします。

歯周病

 歯ぐきの炎症や骨の吸収を引き起こし、最悪の場合は歯が抜けてしまいます。

治療の難しさ

 バイオフィルム内部の菌は、抗菌薬やうがい薬が効きにくいため、物理的な除去(歯磨きやスケーリング)が最も重要です。

対策・予防方法

正しい歯磨き(1日2回以上)
特に就寝前が大事。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスも併用。
定期的な歯科検診・プロフェッショナルケア
歯科衛生士によるPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)で徹底的に除去。
フッ素配合歯磨き剤の使用
 再石灰化を促進し、歯を強くします。
食生活の見直し
 甘い物をだらだら食べない。口の中を乾燥させないようにする。

歯科領域でのバイオフィルムの理解は、日々のセルフケアと歯科医療の両面でとても重要です。

歯科衛生士
院長:小林良

【紹介】
千葉県出身 3児の父

【学会・スタディーグループ】
国際インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会専修医
日本咬合学会 認定医
日本歯科先端技術研究所認定医
日本歯周病学会
など

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