こんにちは!
新江古田こばやし歯科クリニックです🦷
フェルール効果(ferrule effect)は、
歯の修復物が長持ちするために重要な要素の一つです。この効果は、歯の周囲にある補綴物の縁が歯の強度を補強し、破損や割れを防ぐ働きをします。
具体的には、フェルール効果は、歯の修復物が歯冠の周囲に十分に覆いかぶさるような設計で、歯の残存部分(歯冠)が補綴物にしっかりと支えられる状態を指します。
この「囲い込むような構造」が、補綴物の耐久性を高め、歯の割れを防ぐことにつながります
フェルール効果が強い場合、補綴物が歯の破折を防ぎ、長期間にわたって安定した機能を果たすことができます。
そのため、フェルール効果を考慮して設計することが非常に重要です。
特に歯が大きく削られている場合や、根管治療後の歯においては、フェルール効果を十分に発揮するために、歯冠の高さや周囲の囲い込みを確保することが、補綴物の長期的な成功に大きく影響します。
フェルール効果を得るためには、以下のような方法や工夫が重要です。
1. 十分な歯冠の残存部分を確保する
歯冠(歯の上部)がある程度残っていることが、フェルール効果を得るための基本です。
補綴物を作製する際には、歯冠の高さや周囲の囲い込みが十分に確保されるようにする必要があります。
歯冠の高さ:歯の修復部分は、最低でも1.5~2mm程度の高さを確保することが理想とされています。
この高さが不足すると、補綴物の強度が弱くなる可能性があります。
歯冠の周囲の囲い込み:歯冠の外側をしっかりと囲むように補綴物を設計することで、歯の割れを防ぎ、安定性を保つことができます。
2. 歯を削るの際に適切な角度で削る
歯冠を形成する際には、補綴物がしっかりと支えられるよう、削る角度や形状に注意が必要です。
歯を削りすぎるとフェルール効果が得られにくくなり、補綴物の安定性が低下します。
3. 根管治療後の歯に対する補強
根管治療を受けた歯は、元々の歯の構造が失われているため、フェルール効果を得るためには、特別な補強が必要です。
4. 補綴物の設計と材料の選定
適切な材料の使用:歯冠に使用する材料は、強度や適合性が重要です。
セラミック、金属、またはその組み合わせなど、患者の状況に応じて適切な材料を選ぶことが必要です。
5. 歯周組織の健康維持
歯の周囲の歯肉や骨が健康であることも、フェルール効果に影響します。
歯周病などで歯周組織が不安定だと、補綴物の安定性が損なわれることがあります。
6. 適切な接着技術の使用
補綴物を歯に接着する際、強力な接着材を使用することがフェルール効果を高めます。
接着が弱いと、補綴物が外れやすくなり、歯冠の破損リスクが増すことがあります。
これらの方法を組み合わせて、フェルール効果を最大限に引き出すことで、補綴物の耐久性や安定性を高め、長期的な成功を確保することができます。
【紹介】
千葉県出身 3児の父
【学会・スタディーグループ】
国際インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会専修医
日本咬合学会 認定医
日本歯科先端技術研究所認定医
日本歯周病学会
など