こんにちは。新江古田こばやし歯科クリニックの歯科衛生士です。
暑い夏が終わるとやってくる食欲の秋。ぶどう、マツタケ、栗、サンマと秋は収穫を迎える食材も多く食べものがおいしい季節でもありますね!
ですが、そんな「秋の味覚」を楽しめなくなるかもしれない『悪習慣』があります。
旬の食材が増える実りの秋に備えて、今回は味覚障害のリスクを高めてしまう「口呼吸」についてお話させていただきます。
◆口呼吸と鼻呼吸の違いとは?
普段、私たちが無意識のうちに行っている呼吸法には
・口呼吸
・鼻呼吸
の2種類があります。
基本的に、哺乳類が行う正しい呼吸法は鼻から吸って鼻から吐く『鼻呼吸』で、口呼吸を行うのは人間だけです。
犬が「ハアハア」と口で息しているのを見たことがあるかもしれませんが、あれは『パンティング』といって、汗をかけない代わりに体温を下げようとするときなどに見られる行動。
酸素はほとんど肺に送られていないようで、正常な状態であれば、やはり鼻呼吸を行っているのです。
人間が口呼吸を獲得したのは、言語を発するようになった影響だといわれています。
しかし、口呼吸はあまり良い呼吸法とは言えません。
口呼吸をしていると冷たく乾いた空気とともに、細菌やウイルスなどの異物が直接肺に入ってしまうため、鼻呼吸に比べて、病気にかかりやすくなります。
◆口呼吸はむし歯や歯周病の原因に…
口呼吸による影響は、それだけではありません。
本来、お口の中の「だ液」は、細菌や汚れを常に洗い流してくれています。
しかし、口呼吸を続けているとだ液が少なくなり乾燥状態に。それによってむし歯や歯周病の原因菌が繁殖しやすくなります。
むし歯が進行すれば、ズキズキとした耐えがたい痛みに襲われますし、むし歯が神経に達すると神経の治療も必要になります。
また、歯周病は気づかないうちに進行しやすく、放置していると歯が抜け落ちるほど重症化してしまうことも…。
◆口呼吸による、さらなる悪影響
口呼吸による影響は、他にもたくさんあります。
・口臭の原因になる
・歯並びが悪くなる
・味覚障害を引き起こす
・いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因になる
このように様々なトラブルを招くため、口呼吸をしている方は、ぜひとも鼻呼吸に改善していきましょう。
◆「あいうべ体操」で脱!口呼吸
それでは、実際に口呼吸を改善するためにはどうすればよいのでしょうか?
専門の治療を受けたり、矯正器具を使うといった方法もありますが、まずはご自宅でも簡単にできる「あいうべ体操」をご紹介したいと思います。
2.「いー」と口を大きく横に開く
3.「うー」と唇をとがらせ、口を強く前に突き出す
4.「ベー」と舌を突き出し、下に向けて伸ばす
1~4を1セットとし、毎食後に10セット繰り返します
舌や口周りの筋肉を鍛えることで、口が不意に開くことを防ぎ、口呼吸の改善の他、いびきや誤嚥(ごえん)の予防効果も期待できます。
ぜひ毎日の習慣にしてみてくださいね。
【紹介】
千葉県出身 3児の父
【学会・スタディーグループ】
国際インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会専修医
日本咬合学会 認定医
日本歯科先端技術研究所認定医
日本歯周病学会
など