こんにちは。新江古田こばやし歯科クリニックの歯科衛生士です。
11月23日は年内最後の祝日、「勤労感謝の日」ですね。
文字からすると「働く人に感謝する日」だと思われがちですが、実はそれは少し違います。
この日は勤労を尊び、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう日
つまり、「『働くこと』そのものに感謝する日」なんですね。
今年最後の祝日を、日頃がんばっているご家族や自分へのご褒美としてゆっくり過ごしてみるのはいかがでしょうか。
さて、そんな「勤労」といえば、近ごろは男女関係なく仕事をしている人が多く、なかには妊娠中でも働くお母さんもいらっしゃいます。
しかし、妊娠中の身体には様々な変化が起こるため、今までのようにいかないこともたくさんあります。
そしてそれはお口の中でも同じ。
皆さんも、「妊婦さんは、むし歯や歯周病になりやすい」といった話を聞いたことはないでしょうか?
今回はそんな妊娠中に増える、お口のトラブルについてご紹介します。
◆妊娠中はお口のトラブルの悪循環に注意!!
妊娠すると女性ホルモンが増加します。実は、歯周病を引き起こす歯周病菌の中には「女性ホルモンによって活発化」するものがあり、歯周病のリスクが増大します。
すると、歯ぐきに腫れや出血がみられるようになりさらに、お口の中がネバネバするなど不快な状態になることが少なくありません。
また、ホルモンバランスが乱れると「妊娠性エプーリス」という病気になり歯ぐきに「できもの」ができることもあります。これらはいずれも、「痛み」や「出血」を伴うため、歯みがきしづらくなります。
すると、お口の細菌がどんどん増えることになり、歯周病がさらに進行して、もっと腫れや出血がひどくなる…。
こうした悪循環になってしまうのです。
もちろん、細菌が増えれば歯周病だけでなくむし歯の危険性も高まります。
◆母体だけじゃない!歯周病は赤ちゃんにも影響が…
さらに、歯周病はお口の中のトラブルに留まらず、赤ちゃんにも影響を及ぼします。
歯周病はお口の中だけでなく、血管内に細菌が入り込んで全身に影響を及ぼします。
実は、妊娠中に歯周病になると「低体重児・早産のリスク」が高くなるということが明らかになっているのです。
日々の歯みがきは、歯周病予防の基本!
ですが、妊娠中はつわりがひどいと歯みがきが難しいこともあります。
そんな時は、
・歯みがき粉の味を変える
・洗口液を使う
それも難しければ、うがいをするだけでもいいので、お腹の赤ちゃんを守るためにもお口を可能な限り清潔に保つように心がけてみてください。
◆妊娠中でも治療はできる?
妊娠中の歯科治療というと、赤ちゃんへの影響を気にして治療をためらうお母さんもいらっしゃいます。
しかし、病気を放置しているとお母さんのストレスが増えたり、低体重児・早産のリスクが高まったりして、かえって悪影響を与えることも。
そのため、しっかり治療するほうが赤ちゃんにとってもお母さんにとっても、確実にメリットがあります。
安定期に入れば、ほとんどの治療を受けていただくことができますし、麻酔やレントゲンなども胎児にほぼ影響はありません。
また、安心してお産に臨めるよう、妊娠初期と安定期には歯科検診を受けましょう。
心配事などのストレスは溜め込まないように、気になることがあればいつでもご質問ください。
【紹介】
千葉県出身 3児の父
【学会・スタディーグループ】
国際インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会専修医
日本咬合学会 認定医
日本歯科先端技術研究所認定医
日本歯周病学会
など